学生ローンの仕組みとシステム

学生ローンのシステムを詳しく知る事は、学生ローンの利用においての利便性を向上させることに繋がる。
そこで、こちらでは学生ローンの営業上のシステムや、入金処理の仕組み等、日常業務の仕組みやコンピューターシステムについて詳しく書いてみたい。

顧客管理の仕組み

学生ローンの利用者は、多いところでは数万人レベルの膨大な数である。
中には同姓同名客も複数おり、当然のことながら判別が難しいシーンは日常茶判事である。
例えば、銀行振込での返済はカタカナ氏名のみで入金される為、同姓同名者が複数いると判別が困難である。
また、メールなどで問い合わせる際も同様だ。

そこで、学生ローンでは顧客ごとに会員番号を付しており、顧客識別番号として利用されている。
電話やメールで問い合わせる場合、通常はこの識別番号(会員番号)とセットで本人確認を行っている。
(電話の場合、ナンバーディスプレイ表示の電話番号と、コンピューター登録上の番号が一致しているかを確認している)
会員番号はナンバリングという連番のスタンプが利用されており、セキュリティ上の安全性が懸念されているが、氏名とセットで利用されるものだし、会員番号単独で貸す事はないので、悪用される心配はない。

●銀行振り込み返済の仕分け作業
本人確認で最も困難な作業が、銀行振り込み返済処理である。
名前によっては、同姓同名者20名、30名も珍しくない。
これらを確実に入金処理するには、やはり個別の識別番号を付与する等の工夫が必要だ。
学生ローン各社では、振り込みの際、名前+会員番号or生年月日等の付与を促しているが、全顧客がきちんと対応するはずもなく、対応に苦慮しているのが現状だ。
名前+会員番号は、銀行振り込みのシステム上は「振込依頼人名義の変更」にあたる。
コンビニのATMでは振込依頼人名義の変更ができない為、個別の識別番号を入れられないという利用者も多い。

このような場合、送金をした後に電話連絡でその旨伝えるほかないのだが、ある学生ローンではインターネットで送金した事実を伝える為の、専用ページを設けるなどして対応している。
そこで現在注目を集めているのが、各銀行が実施する照合作業を効率化するサービスだ。
例えば、三井住友銀行では「パーフェクト」というサービスがある。
このサービスは学生ローンの利用者が学生ローンに振り込む際、お客ごとに被振込先口座である専用の口座を割り当てるものである。
具体例を挙げると、次の通りだ。

代表口座番号が1000000だった場合、お客ごとに返済用口座番号「1000000-00001」「1000000-00002」等の口座番号が割り当てられる。
利用客「スズキ タロウ」さんに専用口座「1000000-00001」を割り当てた場合、実際に入金される口座は代表口座である「1000000」に入金され、振込依頼人名義が「スズキ タロウ 00001」となる仕組みだ。
つまり、送金をする側のスズキ タロウさんは、いちいち会員番号を付与する必要もなく、自動的に識別番号が付与されるようになるのである。
既に大手消費者金融等では導入している業者もみられるが、学生ローンでの導入事例はまだないようだ。

★このサービスの課題
このサービスは、サービスを導入する側の学生ローンの金融システムを対応させる必要があり、これが至難の業となる。
というのも、現在の学生ローンのコンピューターシステムでは、銀行振り込みで入金があった場合に「氏名+会員番号」が一致した場合、もしくは、同姓同名者がいない場合に自動入金処理される仕組みだ。
三井住友銀行の「パーフェクト」では、専用の口座番号を会員番号代わりに付与する形態である。
もうおわかりと思うが、既存の会員番号と、パーフェクト等を導入するにあたっての専用口座を結びつける作業が必要となるのだ。
これをどうするかが大きな課題となる。
手作業でやるか、コンピューター上のデータを結びつけるプログラムを構築するかのいずれかになると思うが、どちらを選ぶにしてもいばらの道だ。

いずれにせよ、銀行振り込みで返済をする際は、学生ローンが指定する方法で振り込みをするようこころがけたいものだ。

借り入れ限度額について

学生ローンでの借入限度額は、元々が少額融資しか扱っていない為、一般の消費者金融ほど個人差は開かない。
概ねはじめての場合は20万円~多くて30万円と考えて良いだろう。
むろん、アルバイト収入や他社借り入れ状況等によって差が出るのはあたりまえだが。
重要なポイントは、アルバイト収入だ。
法律によっ、て借り入れができる上限額が年収の3分の1までと決められている為だ。
ただし、年収が十分にあるからといって、3分の1まで借りられるというものではないので注意して頂きたい。
年収はあくまでも最低限の条件であり、ここをクリアしてはじめて審査の対象となるにすぎないのだ。
とはいうものの、学生ローンでの与信枠については、結構謎も多く残されている。
ある学生ローン会社Aでは借りられなかったのに、別の学生ローンでは40万円借りられたという事例も数多く報告されている例もある。
また、同じ大学の友人と一緒に申し込みしたところ、友人は30万円借りれて、自分は全く借りる事ができなかったという事例は腐るほどだ。
昔、ある消費者金融に勤務する友人から聞いた話だが、服装がだらしない恰好や、衛生的に問題のある申し込み者に対しては、与信枠を低めに設定する事があるという話を思い出した。
要するに見出し身がだらしないか恰好をしている者は、返済もだらしないだろうとの考えのようだ。
これはあまりにも極端な例だが、このような要素も与信判断に使われている事は事実なのだろう。
学生ローンなどの無担保金融は、基本「信用」が最も重要な要素であるのだから。